私の出会った生前贈与の失敗事例の一つを紹介しておきましょう。
500坪の一筆の宅地があり、そこには5棟の住宅が建てられ、両親の母屋の他に長男、次男、三男、四男の家族がそれぞれくらしていました。長女と次女は他家へ嫁いでいます。
子供が6人、孫が合計14人ありました。この20人に対して、お父さんは毎年500
坪の宅地を少しずつ8年がかりで贈与したのです。毎年1/160
ずつの持分贈与です。そのおかげで、3
年前に亡くなったお父さんの相続税は見事0
円でした。贈与も1人110万円以下ということで、8
年間一銭の贈与税も納付せずでしたから、万々才の相続税対策だったわけです。
しかしながら、父の死後の四十九日を迎える頃になって、相続人の子供さん達が一勢にその後の大変さに気づき始めました。それはこういうことです。
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