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昔からお客様に頭を下げなくても成り立つ事業は「農業」と「貸家経営」であると言われてきました。
頭を下げずにこれまで経営してこれたために、どちらも経営基盤が弱くなってきたのだと思います。 |
入居者とオーナーさんの家族とが顔を合わせてもお互い挨拶も交わさないとしたら、この関係は少
し異常であると思います。日頃から心のふれあいが育まれていなければ、いざという時、家賃の供託とか立退き料の要求と
いったことになりやすいのです。その反対に、入居者が自分の友人を入居者として紹介してくれたり、“オーナーさんがと
ても良い人でこんないいアパートがありますよ”と宣伝してくれたりする方が、安定経営できるのは当然です。では、こう
したいい結果を招くために効果的と思われる事例を、私の経験からお話しておきましょう。
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孫のための鯉のぼりをアパート用地に建てたら、4戸空いていたアパートが即満室になった。 |
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畑で栽培した四季折々の草花が咲いたら、入居者の奥様に少しずつ配って回るととても喜ばれる。
女性はこうした心づくしが大変うれしい。 |
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アパートの入口付近に掲示板をつくって、市役所や町内会の行事の告知をこまめに行ない、入居者の人達と一緒に参加する。 |
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単身者向けのアパートでは、保証人になっていただいている郷里の両親に対して、年賀状や暑中葉書を出すなどして交流をし、来訪された時にはオーナーさんの自宅に宿泊してもらう。 |
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年に2〜3回、2,000円くらいの会費でオーナーさんがパーティーを主催し、入居者相互のコミュニケーションを図る。 |
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不要となっている農業用倉庫を日曜大工で多少手を加え、入居者のための収納用倉庫として提供する。 |
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アパートに隣接した畑で野菜を作り、年に数回、野菜採りのお祭りを実施する。おにぎりやバーベキューを入居
者に分担して提供してもらう。不動産業者の社員さんも招待すると、優先的に良客を紹介してくれることも。 |
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これはほんの一例ですが、オーナーさんそれぞれの持味を生かしてサービスをすれば、
きっと理想の経営状態に近づけるのではないでしょうか。
入居者とのコミュニケーションを重視していたあるオーナーさんの場合、老朽化した
10戸のアパートの建て替えに際し、2年後に取り壊すからと通知したところ、20日で全員から承諾書を取り付けられたそうです。そして、
10戸の内4戸の入居者から「家賃が上昇しても構わない。建て
替え中の仮住まいさえ提供してもらえば、建て替え後の新築物件に入居させて欲しい。」との申し出があったといいます
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これからの競争時代の貸家経営こそ、本当の「経営」の時代であり、経営力の格差
も出て面白いのではないでしょうか。
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貸家経営の真の価値は建物ではなく、その貸家に住んでいる入居者の質である。
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これが私の永年の持論です。
類は友を呼びます。不良入居者は空室期間を我慢してでも入居させないこと。万一
入居しても早く退去させることが肝要です。“オーナーが良い人でこんないいアパートがありますよ”と宣伝してくれ
たりする方が、安定経営できるのは当然です。では、こうした良い結果を招くために効果的と思われる事例を、私の経験からお話しておきましょう。
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